関西学院大学アメリカンフットボール部|創部80周年記念誌
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△0-035-1528-049-021-045-277-3△0-0●●●●●●○○○○○○○●●●●●●○●●●●○○○○○●○○○●○●○○○○○○○○○●●●●○●●●●驚異の復活を遂げた池田2014年1月3日 東京ドームにて 「3、2、1…オービックシーガルズ、ライスボウル優勝!」我々にとって2度目のライスボウル敗北の瞬間から、2013年度のチームが始動した。東京ドームからの帰路で、不安に押し潰されそうだったことを今でも鮮明に覚えている。主力選手の多くが卒業し、個々の能力は攻守共に絶望的だった。我々が再び日本一を挑戦するにあたり、強豪校や社会人チームにない強みとは何かを考え、辿り着いた言葉が“ALL for ONE”だった。私は常に「全員で」を意識し、「全員で求め合う」、「全員で日本一を目指す」と1年を通じて常に仲間に求め、伝え続けた。我々は弱さを自覚し、個々の基礎能力向上の為に行ったチームとしては初の試みである千刈合宿と筋肥大合宿は、計10回にも及ぶ過酷な内容だった。 合宿を終え、チームがまとまっていくように感じていたが、結果が伴わないまま春シーズンを終えた。勝つ為には何が必要か、寝る間も惜しんで必死で考え、夏合宿を乗り越え、あっという間に秋シーズンが開幕。まだ道半ばではあったが、試合を重ねる毎に一体感が高まっていった。強敵・立命館大学との試合に向けて、試行錯誤を繰り返しながら納得がいく勝ち方を模索し、チームも急成長することが必要だった。しかし試合は0対0。結果的に立命館大学は、前節で京都大学に敗北していた為、我々が関西学生リーグ優勝。試合後、更衣室へ戻った時に、チームの誰もが悔しい表情を浮かべていたことを覚えている。上ケ原に戻り、甲子園ボウルに向けて練習をしていた最中、副将兼DEFリーダーだった池田雄紀が試合の数日前に足首を負傷。大きな痛手だったが、試合前の部歌斉唱時には、多くの選手が涙を堪えながら声高らかに歌い、リードが終わると同時に決意した表情に変わった選手が多くいた。チーム全員が彼の為に、ここで終われないという気持ちが自然と現れたのだと思う。結果、23対9で日本大学を破り、学生日本一になることができた。 ただ、我々にとっては次が本番。雪辱を果たすべく1年間全員で一生懸命、死に物狂いで取組んできた。試合開始直前に新幹線の遅延によりチーム全員が揃わない最悪のアクシデントに見舞われたが、OBの方々に尽力いただき、なんとか試合を続行することができた。しかしながら、結果は34対16で3度目の大敗。悔いのない練習をしてきたつもりだったが、振り返れば後悔の念に駆られる。もっと仲間に要求すればよかった等、思い返せばいくらでも出てくる。やはり「負け」は永遠に後悔が残る。梶原前主将の「勝たなければ意味が無い」の、この言葉に気付く瞬間だった。 悔いを残さない為、日本一を実現する為、その為には勝つしかない。勝つには常に高いレベルを要求し続けなければならない。誰も答えを持っているわけではないが、この繰り返しで勝つ可能性を上げる。ファイターズでは「社会人に勝って日本一」という目標を目指して仲間と共にアメフトに没頭してきたが、それと同時にアメフトを通じて「一生涯の仲間」ができた。これは上辺だけの付き合いではなく本心でぶつかり合ったからこそ、今の我々の関係がある。今では部歌『Fight on, Kwansei』を聞くたびに当時の記憶が蘇り、同期・後輩・コーチ・関係者皆様への感謝の気持ちが溢れ出す。これは自分にとって宝であり、財産である。(主将 池永 健人)関西学院大学(6-0-1)立命館大学(5-1-1)関西大学(5-2-0)京都大学(5-2-0)神戸大学(1-6-0)近畿大学(2-5-0)龍谷大学(3-4-0)大阪教育大学(0-7-0)関学大立命館関西大京都大神戸大近畿大龍谷大大教大19-102-2031-327-048-063-015-3510-1924-1012-649-1424-754-60-2820-210-2417-914-1018-1421-90-493-316-129-1714-3511-2120-90-210-2714-4910-1435-1415-2042-142-450-487-2414-1821-1120-153-770-636-549-219-2014-423-1313-3■メンバー表部長芝野松次郎主将池永 健人監督鳥内 秀晃主務多田健一郎106氏 名氏 名位置位置LB阪本 浩洋DB青木 誠二TR佐久間 恭DB足立 和平AS塩田 力也OL油谷  凌DL池田  慧TE曽和 亮太LB池田 雄紀MGR多田健一郎DL池永 健人QB橘  良汰OL田渕 裕也OL石橋  威DL寺本 昇平高等部コーチ井上 貴裕OL友國  詢OL上沢 一陽DB鳥内 將希AS上仲 百海DL植屋  剛DL中前 達紀TR楳田 泉美OL長森  遼WR梅本 裕之MGR野瀬 優太RB榎本 裕司RB野々垣祐輝DB大森 優斗高等部コーチ波多野 智AS小笠原貴久LB藤田 侑也WR松下 将大中学部コーチ岡山 達哉AS森  直澄LB片桐 稜太AS山田 建治高等部コーチ川本 剣悟AS吉門 大知OL木村 圭吾WR小寺 真生DL吉田 知功MGR小松 航己TR若命 大貴LB雑賀 一馬啓明学院コーチ和田 亮也■ 西日本代表校決定戦  関西学院大学 34-14 名城大学■ 第68回毎日甲子園ボウル(26回目の優勝)  関西学院大学 23-9 日本大学■ 第67回ライスボウル  関西学院大学 16-34 オービックシーガルズ■秋季リーグ戦(53回目の優勝)ALL for ONE80th Anniversary 20212013

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