関西学院大学アメリカンフットボール部|創部80周年記念誌
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2021年1月3日 東京ドームにて異例のシーズンで奮闘するRB三宅学生VS社会人最後のライスボウル。主将鶴留 “BLUE GRIT”。ライスボウルで敗れ、この言葉をスローガンに掲げ、ラストイヤーがスタートした。しかし、誰も予想することが出来なかった異例のシーズンとなった。 2月に千刈合宿を行えたが、この頃から新型コロナウイルスが本格的に流行し、3月の春合宿を中止せざるを得なくなった。そして、大学で行われる授業は全てオンラインに移行され、大学への立ち入りが禁じられた。それに合わせ、全体での部活動が全面的に禁止され、春シーズンが消えた。立命館大学戦に向け、1月から走り込みを強化し、チーム全体のレベルアップを見据えていたが、その全てが新型ウイルスによって崩壊した。かつてない状況はどの大学も同じである。そんな中で、オンラインミーティングや自主トレーニングを日本一のレベルで出来るか、ここに秋シーズンのすべてが掛かっていた。 幾多の制限を乗り越え、9月にようやく全体練習を再開することが出来た。この時点で初戦まで1カ月を切り、焦りしかなかった。新チームになって試合を経験していないこともあり、練習を重ねる毎に不安が募る一方だったことをよく覚えている。無観客の中、初のトーナメント形式で初戦が行われた。独特の緊張感はあったが初戦、準決勝と勝利し、いよいよ立命館大学戦を迎えた。全体練習が再開してから2カ月半。一瞬だった。例年に比べれば、完成度は低いかもしれない。だからこそ、最後は気持ちの勝負になると確信していた。残り3秒での逆転勝利を掴んだ。そして、甲子園ボウルで日本大学に勝利し、2017年の雪辱を果たすことが出来た。 満足の行くシーズンだったのかと聞かれれば、決してそうではない。引退し半年が過ぎたが、主将としてやり残したことが無いか考える時がある。難しく特別なシーズンではあったが、仲間を信じ本気で取り組んだことは、私にとって生涯の財産になることは間違いない。(主将 鶴留 輝斗)113■メンバー表部長池埜  聡主将鶴留 輝斗監督大村 和輝主務井上 寛太氏 名氏 名位置TR末吉光太郎WR鈴木 海斗OL高木 慶太WR高木 宏規RB田窪 友暁DL但馬 祥太RB鶴留 輝斗DB中村 光寿DL野村 幸利DL春口 凌誠AS前川 空DL松永 汰倉RB三宅 昂輝高等部コーチ小西 圭大中学部コーチ森本 野以中学部コーチ近藤 陸WR山口 遥平LB繁治 亮依DB吉田 航AS島谷 隆也■ 第75回毎日甲子園ボウル(31回目の優勝) 関西学院大学 42-24 日本大学 コロナ禍のため全日本大学アメリカンフットボール選手権は行われず、東西大学王座決定戦として開催。■ 第74回ライスボウル  関西学院大学 18-35 オービック・シーガルズ位置OL阿部 光葵DB井澤 友熙TR井浪実生子MGR井上 寛太MGR大西 然WR大村 隼也高等部コーチ岡 大河QB奥野 耕世OL尾関 尚樹LB海崎 悠OL亀井 優大LB川崎 駿平WR木下 健太■秋季リーグ戦2020年の1部リーグの開催方式は、新型コロナウイルス感染拡大を受け従来のリーグ戦ではなく、全8チームによるトーナメント戦にて実施。・ トーナメント(1回戦)  関西学院大学 55-13 同志社大学・ トーナメント(準決勝)  関西学院大学 35-14 神戸大学・ トーナメント(決勝)  関西学院大学 16-14 立命館大学すべてが特別80th Anniversary 20212020

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