かに変えたところはありますか。大村 変えたことは、全然ないね。昔からずっと、鳥内さんと現場のこと、オフェンス、ディフェンスのことも話してた。他のコーチたちのように大学職員の仕事しているわけではないので、比較的何でもできてしまう。鳥内さんから、ああしろ、こうしろと言われたことは10年間ほとんどなくて、ある程度、全部任せてもらった。やっぱり現場に近い方が、選手とフットボールのことに向き合え、それ以外のことも自動的に話せてしまう。じゃあ、監督とコーチ時代と何かやり方を変えたかというと、別に何も変わってなくて、ただ、仕事が増えただけかな。有馬 一応、監督という肩書に代わると、重責とかがあるわけじゃないですか。鳥内さんじゃなくなったんだと思う人も多いでしょう。その辺りはどうですか。ファイターズの名を背負うことで、ご自身の生活を変えたことはないですか。あまりダサい格好で外にでないとか…(笑)。大村 飲むときは絶対チームの連中がいないところ(笑)。有馬 何か心がけていることはあるんですか。あるいは、こだわっていることとか。大村 あまりないけど、ちゃんと人の話を聞こうとしているよ。自分に対して意見を言ってくれる、同世代や上の人がいっぱいいる。いろいろ意見をくれるから、それは素直に喜んで聞いている。賢くならないと。あとは得だと思ったら全部やろうと。面白いなと思ったら、積極的にやろうと発信している。有馬 選手たちを指導するにあたって、どんなところに気を付けておられますか。大村 フットボールはあくまでもルールのある世界なんで、そこは論理性と後はどちらのコーチに山っ気があるかだけで、極端に言うとジャンケンと一緒。若いときほど影響力を発揮したいと思うから、多分おせっかいなんだ、学生からしてみれば…。僕らが若い頃だっ有馬 それは鳥内さんもおもしろそうだということは必ず言ってくれって。やらず仕舞いにするよりは失敗してもいいからと…。大村 そうだよね。だから、今まで通りやる感覚があまりない。毎年、同じことはしないでおこうって。プレー以外のことね。練習の仕方とか、合宿の仕方とか、面白そうなこととか、新しいことがあったら、すぐに試すと。駄目ならやめればいい。有馬 そんな話はどこでやるのですか。コーチ同志とか、大村 5、6年前からコーチと選手が飯食いに行くことは基本的にやめている。シーズン終ってから行こう、4年生は引退しているけどね。SNSとかが流行りだして、コーチと選手が夜中に飲んでいるとかつぶやかれると、そんなの面倒くさいんで。それ抜きにコミュニケーションを頑張りましょうと言って、極力行かないようにしている。有馬 じゃあ、LINEグループとかで?大村 いや、元々LINEは嫌いだから、やらないと言った。面倒くさいことや言い難いことをLINEで済まそうとするので、「ちゃんと話をしに来なさい」と言っている。でもやはりコロナ禍の状況でもあるので、2年前からSlackを導入している。ただ、コーディネーターをしているとやっぱり選手と関わるけれど、プレー中心の話になって、それ以外はすごく減っていると思う。その点、香山コーチとか若手のコーチは、選手と話しやすいし自分たちも経験が少ないので、一生懸命に選手のことを考えて対応している。だから、比較的コミュニケーションは取れているんじゃないかな。選手と飯食いに行ってみたいなことも含めて。たら、それで良かった。昭和の時代とよく言われるけれど、純粋に熱い部分が求められる時代だったのだろう。でも今はそれだけじゃないところもあって、学生にはもっと自分で考えたり、物事を決めたりすることをさせた方がいいと思う。監督になって年々自分が言うことで、何か影響を与えたいという気持ちが無くなってきている。だから学生には自分で決めろと124ファイターズの名を背負う生活とそうでない生活有馬 そんな10年間のコーチと監督になってからと、明ら自分で考え、自分で決断し、フットボールをすることの意義
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