しか言わない。当然フットボールの戦術面では助けてやる。ただ、決めることはお前にしかできない、俺らは何もできんと…。それ以上は踏み込まない感じ。有馬 社会も変化し多様化していて、昭和の時代とは違うとおっしゃっていますが、そんな中でもフットボールをする意義というのは、自分で考えて決めることだと大村 どこのチームも気合と根性は持っている。だけど、うちのチームの気合と根性はファンダメンタルであって、それをプレーで出す。だから、そのために考え抜く。気合と根性で殴り合いをするわけじゃなくて、ちゃんと形として残すためにフットボールで結果を出す。それを深く考えるということ。そこは暗黙の文化として、ずっとあるのだろうなと思う。その都度、よいライバルが登場してくれていることと、「絶対に勝つ」と「どうやって」という部分を、ちゃんと考える文化として継承させてくれた人たちが、それぞれ時代にいたのが、すごく大きいんじゃないかと思うな。有馬 その継承してきたものを現監督として変革を加えながら、未来に繋げていかなければいけないと思うのですが、何か考えられている方向はありますか。大村 全然ない。最近は、面談で学年に関係なく、みんなに同じことを言っている。筋トレとかポジションのテクニックの練習は、みんな放っておいても勝手にやる。自分の範疇でやれることは、好きにやれと。だけいうことですね。大村 そうだと思う。だから勝っている状況でも、今年はこうすると決めなければならない。決めた以上は責任を取らないといけない。そこだけは譲れないところだ。ただ、こうしないといけないじゃなくて、「こうしたい」じゃないと続かないぞ、と繰り返し言っている。ど自分の範疇以外のことに何かこだわりを持てたら絶対に成長する。そこに責任を発生させることができたらスピードも上がるし、影響力も発揮できる。だから、どれだけ自分のこだわりを持てるか、どんなプレーをしたいかが課題だ。例えば2年生のDLだったら、パスラッシュは全員絶対に上手くします。僕が責任を持ってちゃんと決めます。決められたらビデオで先輩にも見てもらえるし、練習も頑張ると言った以上やれる。そういう自分以外の人間に影響があることに対して、責任を負うということを自分でやれたら成長するぞと…。これを理解して実行できる奴が出てきたら、チームはこれからもさらに成長すると思う。そういう奴を如何に増やすかということをテーマに日々取り組んでいる。有馬 勝ち続けることが、一番難しいと思いますが、でも、監督としてはこのチームに勝たせなきゃいけないわけじゃないですか。選手たちとはちょっと違う感覚ですね。その部分って、ギャップがあるのを引っ張り上げたいとか思いますか。大村 発想を変えろとしか言っていない。面談とかをしていると、こういうアサインメントがあります、去年はこうだったけれど、今年はもっと効率的に上手くやろ12580年の歴史を受け継ぎ 、新たな時代を拓くために…有馬 ファイターズ80年の歴史に目をやると、勝てないときもありましたが、凋落することなく、今も勝ち続けることができている。特にここ10年は一番勝率も高いのですが、この理由は何だと思いますか。
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