うと思いますと言う子がすごく多い。要するに与えられたことを上手くやろうとする、そんな子が多い。だから、それ面白い?って聞いている。自分の責任を果たすのは第一だが、永遠に70~80点のところばっかりだと言うと、学生はうんうんとうなずく。それは面白いと言って、この枠を出た奴がいない。そういう発想で自分の枠から出るような奴をもっと育てたいと思う。そういう感覚になってくれたらと…。効率的にするにはどうしたらいいか、こうしなければいかんという発想がないと絶対に続かない。昔は勝つために我慢してこれをしたけれど、義務感でやることは絶対に続有馬 そういう意味で言うと、今の日本のフットボール界には課題が多いのでは…。大村 正直に言うと、このままで行くと10年後のフットボール界はどうなっているんだろうという気がする。Xリーグのファンは少ないし、学生の試合も観客があ有馬 人材の循環をしっかり行い、それでクオリティを保ちつつ強くあり続けることができるなら、そっちの方がいいですよね。OBやファン、周囲の人々が数多く関わっている中で、ファイターズをどんなふうに見守ってもらいたいというのはありますか。学校も含めて。大村 大学は今、スポーツの教育的価値を認めて、多くの分野で幅広く取り組む、AD(アスレチックデパートメント=大学競技スポーツ局)を創設したけど、動きがそれほど早くない。やはり学生の教育がファースト、そしてプラス戦績、これについてはすごく考えている。この部分にどんどん力を入れることが、長い目で大学のためにいいんじゃないかな。 この10年はずっと勝っているけれど、「俺がやってやるわ」と言って頑張った奴らと、それなりに真面目に頑張った奴らで勝ってきた。その真面目に頑張る子たちは、どっちかというとチーム愛が薄い傾向にあると思う。でも、そういう子たちも社会に出たら、色々な人に関わって気づくことがいっぱいある。だから若い奴にはできるだけチームに関わって欲しいし、どんどん外から意見を言ってきてもいいと思う。かない。禁煙するときと一緒。僕も昔は1日2箱吸っていたけれど、やめた。我慢しようと思うと一切やめられなかった。それが、「吸いたいと思ったら、悪い物が体から抜けてラッキーと思え」と何かの本で読んで、そう発想を変えた瞬間にピタッと、もう20年以上吸っていない。だから、我慢はいかんと言っている。自分はこれをやりたい、その目標のために基礎のこれをやると実現に繋がり、そこに意味が出てくる。そういう状態ができたら続くよと…。義務感が先にくると絶対に面白くないから、発想を変えるべきなのだ。僕の話がどこまで理解されているか分からないけれどね。まり入らないし、高校生の選手も減っているし…。だからファイターズだけのことだけではなく、何かをしないといけないなと考えている。維持しようとすると守りに入るし、駄目になる。もちろんこれからも関学で続けるつもりだが、誰か若い奴が頑張って出てきたらある程度の期間で引き継いで、そちらの方に行くというのもある話だなと考えている。126今後、監督として目指すこと有馬 現状より成長して、階段を上っていかないと未来に繋がっていかないと思いますが、今後どのようにチーム組織を発展させていきたいと考えているのでしょうか。大村 学生たちにはできるだけ多くの経験をさせてあげたい。関学でフットボールを4年間やってもいいんだけれど、2016年に行ったメキシコ遠征とか、その前年のファイターズとメキシコチームと合同練習とか、あのような体験は無駄じゃないと思うし、学生にはよいきっかけになることも多いと思うので、そういう機会をできるだけ作ってあげたい。
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