有馬 特に年齢が近いOBですよね。大村監督がやったように、自分と一緒にやっていた仲間が卒業するまでは…、みたいな部分もそうですし。大村 だから、最近5年生コーチが機能していない。以前は留年コーチで支えられていた面もあるじゃない。最近はそこがまったく無くてすごく困っている。とことん入り込んでやる、運営面でチームを手伝うとかを、自然に思う子が出てこないというのは、やっぱり「俺がやってやる」という意識が低下しているんだろうなと感じる。そこは何とかしないといけないと考えている。有馬 やっぱり、卒業していく数が昔に比べると多いということもあるんで、そこが希薄にならないようにしないと。大村 さっきも言ったように、2年続けて負けた後の年はめっちゃ熱い。今年は絶対に勝つぞ、悔しいから。逆に勝ってしまうと希薄になりやすいので、そこで「自分がどうするんだ」と考えられる子たちを育てていかないと改善されないだろう。有馬 今後の抱負みたいなことは何かありますか。大村 その時にいいと思ったことで、必要なことはどんどんやっていく、アドリブだからね。鳥内さんもそうだったけれど、昔からうちはその辺については長けているんじゃないかな。大村 関学のいいところは、たとえ運動能力が低かったとしても、「僕、やりますわ」と手を挙げる子たちには、色々な意味で必ずスポットライトが当たるというところで、それができる子たちは得るものが沢山あるチームだと思う。それは、ずっとそのままであって欲しいね。後は、やっぱりファンダメンタルのプレーの精度。ずっと言っているんだけど、これが一番簡単そうで一番難しいところ。ファンダメンタルにちゃんと向き合えれば、変なことは起こらない。そして、プレーの精度を永遠に突き詰めることができるようになれば、人としても同時に成長しているはずで、卒業しても繋がっていく。そこはずっと追い求めて欲しいなと思う。有馬 アドリブは基盤の上に成り立つもので、最初から求めても絶対できないですよね。しっかりとした土台があってこそ、そこに根が生える。それがアドリブだと思っています。関学と他のチームとの大きな違いは、多分そこなので、そこは崩さないようにしたいですね。それと、これからも強い、弱いは当然あるだろうけれども、コーチの力量を他のチームと比べたときに、やろうとしていること、考えていることは常に高くあって欲しい。それに選手が乗っかったらすごく強くなるし、乗り切れなくてもいい勝負はできる。そこはずっと確立されていたから、そうであって欲しい。自分で考えるんだけれど、やっぱり手を挙げたら、ちゃんと側の人間が助けてくれると、だからどんどん手を挙げてやれと。そのときに助けてくれる人たちの力量は低くないよと、だから思い切ってやりなさいと、ずっとそんな感じで繋がっていてくれることを願っている。有馬 ありがとうございました。127これからのファイターズを担う、次世代へのメッセージ有馬 最後に、20年後には歴史の大きな節目となる創部100周年を迎えます。これからのファイターズへの願いと、フットボールを目指す子どもたちへのメッセージをお願いします。
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