関西学院大学アメリカンフットボール部|創部80周年記念誌
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としばいてください』って言う人がおるねん。それはな、暴力行為であり、ひどくなれば犯罪やで。もっと訴える親が出てこないとあかん。ボコボコにしばくのはおかしい。言いたいことが言えない組織はおかしいねん。正義が大事なことや。コーチも間違えることはあるねん、人間やねんから。その時に意見するのは大切なことや。せやないと、損するのは学生やからな。うちのクラブが80年間トップを守り続けてこれてるのは、言いたいことを言える組織やからやで」――監督のやりがいは 「社会で役に立つ人間を送り出すだけやん。どうでもええ奴は出て行ってほしくないねん。それが使命や。世界とか社会で活躍して、クラブに戻ってきて、こうやってるねんって言うてくれたらいいやん。現実、そういうOBもたくさんいてるからな。学生が『あんな人になりたいな』って思ってくれて、そんな先輩いてるんや、かっこええなでええやん。憧れの先輩になってほしいねん」――監督時代は思い切った選手起用やコンバートもあった 「チャンスは与えたらなあかん。アメリカにコーチ留学してた時な、俺が見ててもあかんなと思ってた奴がな『ギブ・ミー・チャンス』って言うてた。厚かましいなと思ったけど、当たり前やんな。チャンスもらわな、やってられへんわな。能力が同じやったら、下級生を使ったらええねん。伸びる要素はみんなにあるから。上級生は『なんで抜かれとんねん、下に』でええねん。せやけどな、最後の最後、勝負がきわどくなってきたら上級生やねん。下級生は『試合に出たい』って口では言うててもな、いざその時が来たら嫌がるねん。ビビるねん。本気でやってきた上級生しか最後は背負われへんねん」 始まりがあれば、必ず終わりはやってくる。四半世紀以上もFIGHTERSを支えてきた。数多くのことを変えて進化させてきた。「青い血」としてFIGHTERSの伝統を守り抜いてきた。そして、さらなる発展を遂げてほしいという願いも強い。今、鳥内が将来のFIGHTERSに思うことは。最後にその胸中を聞いた。――鳥内さんが28年間で変えたと思うことは 「4年生中心って言うてるけど、だいぶ4年生が権限もって、計画を立てて決めることができるようになったわ。監督なった時から言うてきたけど、昔はやらせてた部分もあったと思うねん。でも、今はかなり4年生が主体的に考えてやってるはずやわ。大村とかコーチと意見を戦わせているはずやで。一方的に監督に呼ばれて、『はい、はい。分かりました』だけではないはずや。そういう機会を与えないと学生は成長できひん。監督コーチはそれを手伝うだけや。勝ったら4年のおかげ、負けたら監督の責任でええねん」――逆に変えなかったものは 「変えなかったものな……。目指してるところは学生チャンピオン。『ライスボウルの社会人は(負けても)仕方ないで』って言うたこともあるから、俺は。外国人選手が多い社会人に対して、骨折れてもいいからタックルいけとは言われへん。安全第一やから求められへんし、求める気もないわ。でも、学生チャンピオンは変わってへん」――未来のファイターズが大切にしていってほしいことは 「日本一でええねん。それを真剣に狙うから、真剣な取り組みも出てくるねん。日本一になるためにどうやるねんっていうこと。それで一流に近い学生が育ってくれる。そこで役割見つけてくれるねん。そこは変えてほしくない。1回は真剣勝負しないとあかん。人生のどこかでやらないとあかん。毎年、毎年注目してもらえて、期待してもらえる環境があるやんけ。これってすごいことやで。4年に1回とかちゃうやん。毎年やで。4年生の1年くらい本気なれよって」――将来のファイターズへメッセージを 「このまま続いていってくれたらええねんけどな。OBからしたらありがたいことやで。弱くなってしもたら、また強くするの大変やで。ずっと強いチーム、日本一をキープしてほしいやん。今のまま続いていったらええんちゃうの。アマチュアスポーツ、学生スポーツで憧れるチームであり続けてほしいと思うな」17未来のファイターズへ

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