関西学院大学アメリカンフットボール部|創部80周年記念誌
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Ⅱ古豪関西大の復活、さらに激戦化する関西リーグ2002年 ディフェンディング・チャンピオンとして迎えた年。秋のリーグ戦もオフェンスはQB尾崎、ディフェンスはDL西村主将を中心に順調に勝ち進んだが、第5戦の近大戦で思わぬ敗北を喫した。先制され、追いかける展開となり、残り5秒で逆転したが、最後のプレーとなるはずのキックオフでゴロのキックを第1線の選手に捕球され、カバーチームとすれ違いとなってそのまま独走されて25-29。思いもよらぬ結末で苦杯を嘗めた。第6戦の京大には競り勝ったものの、最終戦の立命大は、最初のシリーズの第3ダウンロング、QB高田のプレーアクションパスがWR木下に通り、91ヤードの先制TDを許すと、その後は攻守にわたって圧倒され、14-48で完敗を喫した。立命大は実質的なプロコーチを核とした指導体制を整え、米国でのコーチ研修、徹底したリクルート、トレーニングのハード(施設)・ソフト(ストレングスコーチ)をそろえ、頭一つ抜きんでたチームを創り上げていた。立命大が自らの一強時代の到来を宣言する試合でもあった。秋季リーグ 立命大戦 今東主将の下で王座を奪い返すことを目指していたチームを悲劇が襲った。東鉢伏高原で行われた夏合宿の最終日、守備の要だった4年生のLB平郡雷太選手が練習中に倒れ、救急搬送されたが心不全で亡くなった。すぐに事故報告書作成委員会が編成され、事故に関する報告書が作られて、ご遺族のご了解を得てリーグ戦開幕直前に学内外に公表された。 練習もほとんどできないまま迎えたリーグ戦。序盤は鳥内監督らが喪に服している中、第2戦で2部から昇格したばかりの関大に6-7と敗れ、失意の中での第6戦・京大にも7-16と苦杯を喫した。仲間を喪った上に優勝の可能性を絶たれた失意の中での最終戦、チームは残された力を振り絞り、戦力が圧倒的に充実した立命大に果敢に挑んで前半21-10とリードしたが、後半は地力の差で追い上げられ、最終プレーでFGを決められて24-21と逆転負けし、同率3位となった。26(平成14年─23年)2003年2002—2011

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