ミルズ杯 QB奥野ライスボウル富士通フロンティアーズ戦 ファイターズは1991-2010の20年間、関学・京大の2強時代、関学・京大・立命大の三つ巴の時代、王者立命大を追いかける時代それぞれに苦闘しながらリーグ戦を戦い、関東の王者との対戦も制して何とかトップを狙える座を保ってきた、と言える。 しかし、2011-2021の11年間を見ると、8度の学生日本一に就くという過去に例のない黄金期を迎えている。毎年の学生と監督・コーチら指導者の努力が結実したことは言うまでもないが、同時に、中長期にわたっての指導者体制の質量の拡大、リクルート網の強化、トレーニングセンター等の施設、それらを支える財政面の拡充、OB会との連携協力体制の構築など、多くの人たちの尽力によってさまざまな環境が整えられてきた。そのことがこの歴史的な好戦績の基盤となっている。ライスボウル富士通フロンティアーズ戦ライスボウル富士通フロンティアーズ戦WJB 立命大戦 RB斎藤甲子園ボウル 法政大戦 RB前田神戸大に勝って立命大との決勝戦。先制され、追いかける苦しい展開となったが、第4Q13-15から最後のシリーズでゴール前まで持ち込み、ラストプレーでK永田がこの日3本目のFGを決めて逆転勝ち、4年連続の甲子園ボウル出場を決めた。甲子園ボウルは、日大が一部復帰して苦闘を乗り越えて関東代表に。最上級生となったQB林、RB川上、宗らとの攻防で点の取り合いとなったが、QB奥野のパス、RB三宅の独走などで着々と加点し、42-24で4年前の雪辱を果たした。ミルズ杯はQB奥野が2回目の受賞。ライスボウルは、オービック・シーガルズとの対戦となり、前半は14-12と競ったが、後半はQBロックレイにロングパスで2本TDを奪われるなどして日本一には届かなかった。 ライスボウルは社会人と学生の実力差が大きくなって安全性にも懸念がでてきたため、学生王者と社会人王者の対戦カードはこの年が最後となった(2021年度以降は社会人選手権決勝)。372021年 梅本裕之(2014年卒)がプロコーチに就任。DL青木主将は「I WILL」というスローガンに、一人ひとりが「自分がやる」という気持ちになる、という意味を込めた。この年も新型コロナ感染症に振り回され、7月のオフに入って感染者が相次ぎ、ルール違反も発覚して大学の施設利用ができなくなった。しかし、8月1日からの合宿は、広島のホテルで完全なバブル方式を準備して実現した。 その後もチームは混乱が続いたが、リーグ戦は2ブロックに分けた変則方式となり、京大、関大を破って立命大との優勝決定戦。先制したものの第3Qに逆転され、第4QにシャベルパスをRB前田がTDに結び付けて再逆転、RB斎藤のダメ押しTDで突き放した。西日本代表校決定戦では立命大と再戦した。リードした後半に激しく追い上げられたものの、強力なランプレーでTDを追加し、34-24で振り切った。5年連続出場となった甲子園ボウルでは、法政大に対して序盤から攻守とも優位に立ち、QB鎌田がパスで430ヤードを稼いで47-7で圧勝した。優勝回数は32回を重ね、4連覇となった。ミルズ杯にはRB前田が選ばれた。前田は「ブルーナイツ」で小学生時代からファイターズが育てた選手であり、長期の取り組みが花開いた。
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