トボールはライン次第」と言われている競技にあって、そのDLineの人数を減らして、あるいは立たせて京大のオプションやランプレーに備えるというのは、一般的には最悪の愚策と思われるだろう。それを可能にしたのは、実はGangboneの特徴にあった、と言える。 対オプションについてはDB4人を均等に配置するもの(当時はC-2が主軸)が基本となった。立命館大学のパスアタックに対抗する必要性からもその選択となった。そGangboneからのパス封じのために34のままでC-3に変化する、あるいはブリッツを前提とする35へと派生させた。それらはGangbone以外のオフェンスにも使うことができた。見た目はあまり大差のない歴代の34であるが、実は毎年、0から作り直して、ほんの僅かな変化をつけてきた…と思う。もっとも、当方の構成する人や対戦相手の攻め方が変わるのだから、毎年0からとなるのは至極当然である。ま法政大に当てはめることなんてできるわけがない…という先入観を廃してみた。京大オフェンスのスプリットに合わせてディフェンスを配置し、ディフェンスはそのままで、オフェンスのスプリットを法政大並にしてみた。TEの外に本来は5-techniqueにいるべき人がいる、とても変な配置になった。そこから微調整だけしてやってみた。狭い分、外への展開は速く感じるが、もとより広いスプリットに合わせた位置にいるので、追いかけるというより向かってきてくれる、という感じになる。 分析隊が作ってくれた資料とビデオとを交互に見ながら、どう攻めているかをその資料に書き込んでいくと、次第に塗り絵のようになる。真っ黒になる。その黒くなる地点がある一定の法則で決まっているように思えてくる。その法則はオフェンス隊形や人、パーソネルにより決まってくる。ハドルコールではその法則に従ったディフェンスにならない場合でも、LOSコールならその法則に合わせたディフェンスで対応できる。これが「オート」と名付けられたもの。まことに適当、いい加減なものである。あとは4年生の閃きと度胸次第である。65自由な発想 同じオプションでも京都大学はスプリットが極端に広く、法政大学は極端に狭かった。ただ、ボールが動くスピードにそこまで差はなかった。京大戦で取り組んだ戦術をそのま
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