関西学院大学アメリカンフットボール部|創部80周年記念誌
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はシンプルな体型や同じ隊形を使用し、プレイが終わってから15秒ほどで次のプレイがはじまる。我々はこれに加えて更にディフェンス目線からみて複雑で我々オフェンスが主導権をしっかりと握れる仕組みにアレンジを加えて、オリジナルのノーハドルパッケージを構築していった。効果はてきめんで相手のスタミナを削り、さらにこちらの想定していた通りのカバレッジや守り方に引き込むことが出来た。 ある程度相手をシンプルにわかりやすく追い込んでいくことができたので、今度はそこを崩す引き出しをどう増やしていくのか?毎年一番苦戦するのはOLvsDLのBOX内の戦い、またパスプロテクションであるのは明白で、そこで主導権をとるために考えたのは選手に「考えさせすぎない」ということだ。もちろん準備の段階ではおそらく日本で一番細かく考えていると思うが、それを実行する際にいかにシンプルにプレイさせるか?そういう形にもっていくか?が非常に重要であった。そこで試行錯誤しながら取り組んだのは、ランであればエイミングを変えたパワープレイとBOX内をせめやすくするためのオープンプレイの脅威を上げる事、パスであれば一番のパスラッシャーであるDEをおさえるためのPPのスキームであった。もちろん毎年細かい修正は繰り返しバリエーションも増えていき(失敗作ももちろんある)、いくらでもプレイが湧き出てくる感じがあった。 Power playに関しては、簡単に言うとオプションチームなら普通にやっているディフェンダーとの「すれ違い」を利用したプレイだ。通常のパワープレイだとAIMINGがB-GAPになっているがアサイメントは同じでA-GAPに行くデザインにする。これによってLBが通常のパワーと同じように少し横に反応するところをランナーは縦に入っていくので、すれ違いが起こりやすくなる。すれ違えるとわかるとOLはタイミングだけを把握して思い切りやれる、アサイメントであってもすれ違えるタイミングさえ把握すればブロックしなくてもplayは成立するため、思い切りスタートしディフェンスに惑わされることなくプレイできる。この発想は功を奏し、能力負けする相手であっても勝72

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